
みなさんは、おばけは本当にいると思いますか?
私は、いる派です。
こわいこわいと思うから、なんでもお化けに見えるんだとこのお話のお嫁さんは言いますが・・・。
この『おんぶおばけ』のお話は、お化けは、結局は、多分いる・・・というお話です。
それでは、『おんぶおばけ』のあらすじを見ていきましょう。
おんぶおばけのあらすじ
むかしあるところに、おくびょう者の男がいた。
夜ひとりで便所にも行けなかったのです。
嫁さんも困ってしまって、(おくびょうを直すいい方法が何かないだろうか?)と考えました。
そこで、ある晩、ほうきに手ぬぐいをかぶせて、便所の入り口に立てかけておいたのです。
すると、いつものように男が嫁さんに便所についてきてくれるように頼みます。
そして、嫁さんは、無理やり一人でいかせました。
男はこわごわ便所に行くと、入り口に手ぬぐいのかぶりもんをしたやつが立っている。
そして、便所に入ろうとすると、そいつが急に抱き着いてきた。
「で、でたぁ!」
男は転がるように家に飛び込んできます。
ですので、嫁さんは、手ぬぐいの巻き付いたほうきを見せて、「こわいと思うから、なんでもおばけにみえるんです。おばけなんか、いないと思えば少しも怖くない。」と言い聞かせます。
すると、男のおくびょうもやっと治ります。
そして、男は、夜どこへでも一人でいけるようになったのです。
ある日、林の所で、「おぶさりてぇ、おぶさりてぇ・・・」と言う声が聞こえて来たのです。
それでも、男は『あれは、おばけじゃない。勝手にしゃべってろ!』とずんずん歩いていきました。
すると、本当におばけが現れて、「おぶさりてぇ、おぶさりてぇ・・・」と男の後から着いてきた。
男はじゃま臭くなって、立ち止まって、背中を向けて、さけびました。
「そんなにおぶさりたいなら、さっさとおぶされ!」
すると、丸くて重い物が、背中にどんとのったのです。
「ひゃあ!なんて重いやつだ。」
それを、両手でささえながらおぶって、家までよいしょ、よいしょと帰ってきました。
そして、どさんと下すと、でっかい壺だったのです。
嫁さんも驚いて、ふたを開けてみると、中には大判小判がぎっしりつまっていました。
おしまい。
おんぶおばけの教訓
このお話の教訓は、人は痛い所を指摘されると、いけないとわかっていても、必要以上に反抗し、落ち込んでしまうということです。
人は自分でもわかっている弱い所を、指摘されると、素直にいう事を聞くことが難しいのです。
そして、反抗しつつ、ものすごく自己嫌悪に陥ります。
例えば、仕事で苦手な事を、注意されると、自分が苦手だと、わかっているだけに、素直に認める事が難しく、きちんと、改善しようとせずに、ついその場を通り過ぎてしまうことがあります。
例えば、人より遅いと言われたり、本当はよくわからない事を「わかっているのか?」と指摘を受けたりすることです。
私は人よりもゆっくりしているので、そこを指摘されると、すごく落ち込んでいたのです。
きっと、自分の短所をいまだに受け入れられないのです。
だから、落ち込んだり、素直になれないのでしょう。
それでも、やっと最近、「これは、わたしのペースだから、仕方ないな。」と少しは思えるようになりました。
改善できるところは、するのですが、性格的な原因のものは、なかなか改善が難しいのです。
このお話の中では、男は、嫁さんに、怖がりという、本当は改善しにくい所を指摘されます。
それでも、この男は素直にいう事を聞き、改善したのです。
お嫁さんも本人も、苦労をしたことでしょう。
ですので、最後には、良い事が待っていてよかったです。
それから、もうひとつは、こわいこわいと思っていると、なんでもおばけに見えるとこの嫁さんは言います。
おくびょうな事は色々苦労もあると思いますが、そういう人は、想像力が優れているのです。
人のような形のようなものをみて、人間にみえたりします。
耳で聞いたことを、具体的に頭で映像化して、想像できます。
実は、想像することは、生きる時に大事なことで、こんな事をしたら、生きて帰れないかもしれないぞとか、人にけがをさすかも知れないとか、自分が体験したことがない事でも、こうすると、こうなるかも知れないという事を実際に映像化して、想像できることが大事なのです。
例えば、子供を育てるときに、家の中にもたくさん危険があるのです。
子供が手の届く所に、あぶない物を置いてしまうと、子供が、危険な目に会う可能性があるのです。
たとえば、なんでも口に入れるので、ちいさなおもちゃ、棒状のもの、お箸、スプーンも見ていない所でさわると危険です。
それから、高さのある所でも、落ちると危ないので、目が離せません。
食べ物も、のどを詰まらせることがあるので、手が届くところはダメです。
そんなことも、ただ、頭で分かっているだけでは、実感がわかず、危険を察知しにくいので、実際に想像できないと、予測もできにくいのです。
子供の行動は、こうすれば、こうとか、パターン化は出来ません。
ですので、想像して、先回りし、危険な可能性のあるものは出来るだけ、排除するしかないのです。
おんぶおばけの原作
新潟県の民話です。
おばりよんとも呼ばれる妖怪で、こわがることなく、おぶっているうちに、重くなり、家まで帰ってみてみると、金になっていたというお話。
日本各地に、似たおはなしがあり、たぬきだとかキツネのしわざとも言われる。
おぶったものの頭をかじることもあります。
まとめ
『おんぶおばけ』の教訓は、人は痛い所を指摘されると、いけないとわかっていても、必要以上に反抗し、落ち込んでしまうということです。
それから、想像することは、生きていくのには必要という事です。
おんぶされて、頭をかじると聞いて、「バタリアン」しか、思いつかなかった私。
想像するだけで怖いです。