
人は出来れば失敗なしに、人生を歩みたいです。
でも、失敗をしたことがない人はいないのです。
失敗して落ち込む、あの思いはもうしたくありません。
でも、失敗は人生で必要な事なのです。
この『おおかみと七ひきのこやぎ』には失敗についての重要な事が書かれているのです。
さて、これから、その『おおかみと七ひきのこやぎ』のお話のあらすじを見ていきましょう。
おおかみと七ひきのこやぎのあらすじ
おおかみの変装
あるところにおかあさんと七ひきのこやぎが住んでいました。
ある日、おかあさんは、子供たちを集めて言いました。
「お母さんは森に出かけてくるからね。おおかみには気をつけてね。おおかみは、様子を変えてやってくるからね。しわがれ声と、足の黒いのに気をつければすぐにわかるよ。」
お母さんが出て行ってしばらくして、トントンと戸をたたく音がして、「おかあさんだよ。食べ物を持って帰ってきたよ。」という声がします。
けれども、その声はしわがれ声だったので、おおかみだとわかり、こやぎたちは、「開けないよ、おかあさんは優しい声だよ。」というのです。
そこで、おおかみは、チョークを1本買い、それを食べて、声をきれいにしたのです。
そして、またこやぎたちの家に行き、「おかあさんだよ。食べ物を持って帰ってきたよ。」と今度は、きれいな声で言います。
でも、こやぎたちは「足をみせて!」といいます。
そして、こやぎたちは、おおかみの真っ黒な足を見て、「開けないよ!おかあさんの足は真っ黒じゃないぞ。お前はきっとおおかみだろう!」と言うのです。
ですから、おおかみはパンやに行って、練った粉をぬってもらい、その後、粉屋で前足に白い粉をふってもらいます。
それから、また、「おかあさんだよ。ご飯を持って帰って来たよ。」と言います。
そうすると、こやぎたちは、「足をみせて!」と見ると、今度は足が白かったのです。
ですから、こやぎたちはおかあさんだと、思い込み、とびらを開けると、入ってきたのは、おおかみでした。
こやぎたちは、びっくりして、みんなそれぞれ、色々な場所にかくれようとしたのです。
しかし、おおかみは、それをあっという間に見つけ出して、次々に飲み込みましたが、時計の箱にかくれたこやぎだけは、見つかりませんでした。
それから、おおかみは、お腹がいっぱいになったので、野原で横になって眠ってしまったのです。
やぎたちの反撃
少しして、お母さんが森から帰ってきました。
おかあさんは、家の中がめちゃくちゃにあらされているのを見て、こやぎたちを探します。
すると時計の箱の中に入ってる末のこやぎを見つけました。
末のこやぎは、おおかみがやってきて、みんなを食べてしまったと話したのです。
おかあさんは、それを聞いて、とても悲しみました。
そして、のはらに行くと、おおかみが眠っていて、お腹のなかのものが動いているのをみつけます。
ですので、おかあさんは、おおかみがぐっすり寝ている間に、お腹を切り開いたのです。
すると、次々にこやぎたちが飛び出してきました。
それから、おかあさんは、こやぎたちに言って、おおかみのお腹に石をたくさん詰めさせます。
それから、おかあさんは、おおかみのお腹を縫い合わせました。
しばらくして、おおかみは目を覚まします。
そして、ひどくのどがかわいたので、井戸を見つけて水を飲もうとして、石の重みで井戸に落ちておぼれて死んでしまいました。
おしまい。
おおかみと七ひきのこやぎの教訓
このお話の教訓は、失敗するからこそわかることがあって、失敗から学ぶ事たくさんあるという事です。
失敗は、してみなければ、わからないことがいっぱいあるのです。
失敗したことがあるからこそ、わかる解決方法が、あります。
このお話の中では、おおかみは、まず、なんの変装もしないで、しわがれ声で、おおかみだとばれて、こやぎの家に入れず、失敗してしまいました。
そして、今度はチョークをたべて、きれいな声になり、でも、黒い手をみせてしまって失敗し、今度は粉をぬってもらってとうとう成功するのです。
そして、こやぎたちはお母さんに、「しわがれた声と、黒い足で、おおかみとわかるから。」と言われていたのに、おおかみにまんまと騙されてしまいます。
これも失敗です。
そして、こやぎたちは運よく生きていたので、おおかみに、もう簡単にはだまされないようにしようと思うでしょう。
ですので、何か、おかあさんとわかる方法を考えます。
おかあさんが自分の好きな歌を歌うとか、今朝の、みんなで食べた朝ごはんの時の話題とか、エピソードとか、おおかみには、真似できない方法を考えるでしょう。
人は出来れば失敗なしに、人生を歩みたいです。
けれども、失敗をしたことがない完璧な人などいないのです。
まず、多くの人が体験する、おむつを外すトイレトレーニングの時から失敗は始まります。
お母さんに言われます。
「トイレに行きたいの?行きたかったら言ってね。」
でも、遊びに一生懸命で、その時その遊びを中断したくなかったのです。
他にはトイレに行くの嫌だったとか、パンツを脱いだりするのがじゃまくさかったとか理由は色々あります。
それで、ついつい、「今は、大丈夫。」といってしまい、後で、失敗して、後悔する事になります。
そして、その失敗から学ぶのです。
(トイレを失敗すると、気持ちが悪いし、どうせ、着替えなくちゃならなくなる。それなら、これからは、聞かれた時にトイレに行きたければ、きちんとお母さんに言って、連れていってもらおう。)
人は、そんな小さいころから、失敗しながら学んでいくのです。
他には、例えば接客の仕事をして、レジもしなければならない事になったのです。
預かったお金と、おつりを確認するのはもちろん、手順は教えてもらいますが、慣れた頃に事故は起こります。
少しレジにも慣れて来たので、順調に速くできていたのですが、お客様に、おつりをもらっていないと言われてしまいます。
よく考えてみると、おつりとレシートを別々に返してしまっていて、おつりを返したか、返してないか、わからなくなってしまったのです。
おつりと、レシートを一緒に返し、お客様にも確認してもらうのが、一番確実です。
手順は教わりますが、実際には型ではなく、その時、その時の確認作業と、慣れたからと、手順をとばしたり、確認を怠ったらいけないという事が、身をもってわかります。
その時に、やっと、確認するという本当の意味がわかるのです。
そして、次回からはこんなことがないように、必ず、口頭で確認して、おつりと、レシートを一緒に返します。
他には、例えば、自分では悪気はなかったのに、お客様にこういう言い方をしたら、怒られたというのは、よくあります。
これは、やってみないとわからないことで、お客様みんなが怒るわけではなくて、中には怒る方もいるというのを知ってるのと、知らないのとでは、全然ちがってきます。
そして、その対処の仕方を考える事で、お客様への接し方を学んで行きます。
そして、もちろん、失敗しない事が一番ですし、失敗をすることはもちろん避けなければなりません。
ですが、人は失敗して、落ち込みます。
でも、落ち込んでばかりではいけない事に気づき、その失敗を二度としないようにどうすればいいか、考えるのです。
そしてもし又、自分の近くで同じ失敗が起こっても、落ち着いてどうすればいいか、考える事ができます。
それから、何よりも、失敗して落ち込んで、又立ち直った人は、精神的にも前よりも強くなるのです。
ですので、失敗は、嫌いで出来れば避けたいですが、必要な事です。
おおかみと七ひきのこやぎの原作
グリム童話の一遍。
『グリム童話』はヤーコプとヴィルヘレムのふたりのグリム兄弟が、ドイツにつたわるお話を集めかきました。
『グリム童話』は1812年に初版が刊行され、グリム兄弟が生きている間に7版まで刊行されます。
日本には、九州の天草に宣教師により、伝えられたと言われているのです。
まとめ
このお話しの教訓は、人間は失敗することで学ぶという事です。
おおかみのガラガラ声や、おかあさんの優しい声を出して、子供に何度も読んであげた本です。
子供は、ドキドキするこの絵本が大好きでした。