
ちいさなものにはすごいパワーがあります。
ちいさいからと言って、軽く見てはいけません。
昔話としてよく知られる、『おむすびころりん』お話ですが、このお話に出てくるねずみの、こわい物への考え方がすごいのです。
では、ここからは、『おむすびころりん』のあらすじをみていきましょう。
おむすびころりんのあらすじ
ねずみのお宿
むかし、おじいさんと、おばあさんがいました。
ある朝、おじいさんは山に行くために、おおきなおむすびを作ってもらったのです。
お昼になって、おじいさんは、きりかぶにこしかけ、おむすびの包みを開きます。
そうすると、おむすびがころんと落ちて、ころころ転がって、穴に落ちてしまったのです。
おじいさんが、、穴をのぞきこむと、小さいねずみが出てきて、おむすびのお礼に自分たちの国に案内すると言います。
ですので、おじいさんは、ねずみのしっぽにつかまり、目をつぶりました。
すると、浮いているような、気分になり、目をあけると、御殿のような家のまえでした。
そして、おくでは、台所で、ねずみたちが、歌いながら、おもちをついていたのです。
『いくつになっても、にゃんこの声は聞きたくない。
まごの代になっても、ひまごのだいになっても、にゃんこの声はききたくない。
ぺったんこ。ぺったんこ。』
そして、おじいさんを、おもちでもてなしました。
そして、おじいさんが帰ろうとすると、ねずみたちは、おもちとこばんをどっさりとくれます。
そして、おじいさんが、ねずみのしっぽにつかまると、またふわふわ浮いて、気がつくと、自分の家の前だったのです。
まねをするとなりのおじいさん
さて、この話を聞いた、隣のよくばりなおじいさんは、穴の中に、おむすびを放り込み、中をのぞきこみます。
すると、ねずみが出てきて、となりのおじいさんは無理やりねずみの国に案内させます。
目をあけてみると、やはり、ねずみたちが、歌いながら、おもちをついていたのです。
『いくつになっても、にゃんこの声は聞きたくない。
まごの代になっても、ひまごのだいになっても、にゃんこの声はききたくない。
ぺったんこ。ぺったんこ。』
となりのおじいさんは、どのくらいこばんをくれるか、気になります。
(猫のなきまねをすればいい。ねずみたちさえ、いなくなれば、全部おらのものだ。)
とつぜん、となりのおじいさんは、「にゃおう!」と大きな声で、ネコのまねをしました。
すると、あたりが真っ暗になって、ねずみたちはみんなにげていったのです。
となりのおじいさんは、こばんをふところにたくさん詰め込み、出口を探しましたが、真っ暗でわからなくなりました。
そして、とうとう、息がつまって、しんでしまいました。
おしまい。
さて、残念な結末のこのお話の教訓は何でしょうか?
おむすびころりんの教訓
さて、このおむすびころりんの教訓は、小さいものほど、大切にあつかわなければなりません。という事です。
私たちは、つい見た目で判断して、軽く見てしまいがちです。
ちいさいからといって、力が弱く、何も出来ないと思ってはいけません。
このお話では、となりのおじいさんは、小さなねずみだからといって、軽く見てしまって自分の思い通りになると思ったのです。
最後には、となりのおじいさんは亡くなってしまうので、ほんとうに気を付けなければいけません。
小さい生き物はものすごいエネルギーを秘めています。
例えば、あり等も、集団で大きな物に攻撃したり、集団で重い物を運んだりします。
それに、例えば、のみでも、人間と同じ大きさにすれば、あり得ないほどの距離や高さを飛びます。
小さいものほど、見た目で判断してはいけないということです。
もうひとつは、こわいものへの考え方と距離です。
誰にでも、こわいもののひとつやふたつはあると思うのですが、こわい物に対して、どのように考えたらいいのでしょうか?
こわい物とは距離を置いて、出来れば思い出さずに暮らしたいものです。
このお話の中では、ねずみは猫の歌をいつも歌っていたようですが、子孫に、猫の怖さを伝えたかったでしょうか?
この場合、ねずみは猫に対して、命の危険をかんじるので、忘れないようにしなければならないということでしょう。
猫の声が聞こえたら、すぐに逃げるという心がまえのために、必要だったのでしょう。
もしかしたら、動物にはもともと、そういう危険なものを代々伝える遺伝子があるのかもしれません。
だから、長い間、生き残れているのでしょうか?
私たち人間は、生活の中にそんなにも命の危険があるわけではありません。
でも、例えば、交通事故とか、天災がその怖い事にあたるのでしょうか?
私は小学校の時に、週に一度だけ集団下校をしていたのですが、その時にみんなで交通安全のための誓いを言わされていました。
車のすぐ前や、後ろを渡らない。
止まっている車の近くで遊ばない。
・・・七つもあったのにほとんど忘れてしまいましたが。
この誓いを口に出していう事は、小学生くらいの子供達には、耳に残るので、とても有効だったとおもいます。
それから、例えば地震ですが、地震の事もわすれてはいけないし、いざという時の対策は伝え続けて、対処しなければいけないと思うのです。
でも、地震にあって、大変な目にあった方々は、思い出すのがこわくて辛くて、出来れば思い出さずにくらしたい。とどこかで思ってしまいます。
無理に思い出すのは、しんどいです。
それでも、経験した人が少しづつでも伝える事は大事でしょう。
こわくて、忘れたいものでも、次の世代の人のためや、この先の自分の為にも、時々思い出して伝えなければいけないのです。
おむすびころりんの原作
日本のおとぎ話。
昔は、地底にすばらしい別世界があると思われていました。
ねずみは、その地底の世界と、地上の世界を行き来できる存在とされていたのです。
その昔話が『ねずみ浄土』『団子浄土』といわれ、『おむすびころりん』として、知られています。
全国でこのお話が伝えられていて、転がる食べ物は、豆、団子と様々です。
まとめ
この『おむすびころりん』の教訓は、小さいものほど、大切にあつかいましょう。という事と、
こわいものは、その対処のために、時々思い出して伝える事は大事という事です。
こわいものは出来れば忘れたいです。
でも、完全に克服できないものに対しては、勇気をもって、いつも立ち向かえるようにしなければいけないのかもしれません。