
人間は完璧ではありません。
なので、時には失敗もします。
でも、問題はその後です。
落ち込んで動けなくなるか、又、動き出せるかは、その後の人生の成果を大きく分けるのではないでしょうか。
『ジャックと豆の木』は、そんな、人生での大事なことが書かれています。
それでは、ここからは、『ジャックと豆の木』のあらすじをみていきます。
ジャックと豆の木のあらすじ
天まで届く豆の木
むかし、ジャックという息子が母親と2人で住んでいました。
親子はとても貧しかったので、一頭のめうしの、乳を売って得るお金だけが頼りでしたが、ある日、めうしの乳が出なくなってしまったのです。
ですから、途方にくれた、母親はジャックに言います。
「こうなったら、牛を売るしかない。市場に行って、なるべく高く売ってきなさい。」
しかし、ジャックは不思議な男に、魔法の豆だと言われて、豆5粒と、めうしを取り換えてしまうのです。
ジャックが家にもどると、母親は、あきれて、豆を庭に放り投げてしまいました。
すると、次の朝、ジャックが目を覚ますと、庭には大きな豆の木が、天に向かって伸びていたのです。
ジャックはどんどん上にのぼっていき、天まで、たどり着きました。
そして、雲の上の道の先には、大きな家があり、中から大きな女が出てきました。
この家は、恐ろしい人食い鬼の家でした。
でも、ジャックは女房にたのんで家に入れてもらうのです。
すぐに、人食い鬼がかえってきたので、女房は、ジャックを、かまどにかくしました。
人食い鬼は人の子の匂いに気づき、探しますが、女房がなんとかごまかしてくれます。
それから、朝飯を食べた人食い鬼は、金貨を数えながら寝てしまいます。
いまだ!とジャックは金貨を一袋つかみ、必死でかけだし、一気に豆の木を下りていったのです。
不思議なニワトリ
それからしばらくして、金貨は全部なくなってしまいました。
ジャックは又豆の木を登って、天まで登っていきました。
そして、人食い鬼の家に行くと、女房が顔を出します。
人食い鬼の女房は、また、家にあげてくれました。
そのとき、人食い鬼がかえってきたのです。
ジャックはあわてて、かまどの中にかくれました。
人食い鬼は、また、子供の匂いがすると言いますが、女房はごまかしてくれるのです。
人食い鬼は、朝飯を食べると金のたまごを産むニワトリに、「うめ!」というと、ニワトリは本物の金のたまごをうんだのです。
すると間もなく、人食い鬼は寝てしまったので、ジャックは、ニワトリを抱えて、逃げ出し、無我夢中で豆の木を下りていきます。
おかげで、ジャックと母親はくらしには困らなくなりました。
しゃべるたて琴
ところが、ジャックは、また、人食い鬼の所に行きたくなり、鬼の家に忍び込み、台所の大きな鍋の中にかくれます。
しばらくすると、人食い鬼がかえってきて、子供の匂いがするというので、女房はかまどを開けてみますが、だれもいません。
それから、人食い鬼は、朝飯を食べると、金のたて琴に「歌え!」と言うと、たて琴は子守唄をうたいはじめます。
すると、鬼はそれを聞きながら、眠ってしまったのです。
ジャックは、金のたて琴を手に取ると、矢のように走り出しましたが、たて琴が「ご主人さまー!」とさけんだので、鬼は、目を覚まします。
そして、鬼は、ジャックを必死に追いかけたのです。
ジャックはなりふりかまわず走って、豆の木にたどりつき、死にもの狂いで降りていきます。
鬼も豆の木にたどりつき、ジャックを追いかけて下りていきました。
ジャックは、地上に降りると、斧を、なんども豆の木に振り下ろしました。
そして、とうとう豆の木は鬼もろとも、いっきに倒れます。
のちに、ジャックと母親は、金のたまごをうむニワトリと、金のたて琴で、お金持ちになりました。
おしまい。
ジャックと豆の木の教訓
このお話の教訓は、怖い物知らずは、時にはスゴイ事を成し遂げる。という事です。
いままで、経験がなかったり、どんなに怖いか想像できない人が、他の人がこわくて出来ない事をやり遂げてしまう事。です。
このお話の中では、ジャックが天まで伸びる、豆の木を登っていきます。
ジャックは、大事なめうしをつまらない豆と交換して、母親に怒られてもめげることなく、豆を信じて、豆の木を登ります。
それは、誰にでも出来る事ではなくて、落ちたらどうしよう。とか、上に行くと、どんなことがあるんだろう。とか、下りて来られるだろうか。など、考えて、怖がる人がほとんどなのです。
そして、人食い鬼がいるよ。と言われても、おじけづくことなく、しかも、鬼から宝を奪って、帰って来ます。
鬼から宝を取って、怖い思いをしても、まだ、鬼の家に行こうと思うのです。
はたから見ると、学習しない、あまり賢くない人に思えるかもしれません。
でも、怖かった事をすぐに忘れてしまうのも、ひとつの才能です。
例えば、役者さんが、舞台にでるとします。
いつもはテレビが主な活躍の場で、舞台にはあまり出る事はないのです。
そして、セリフはいつも完璧で、あまり、間違う事はありません。
しかも、ドラマは撮り直しができますが、舞台は出来ないのです。
そのことは、どの役者さんもそうですが、大変なプレッシャーでしょう。
そんな役者さんが、舞台の初日で、歌詞を間違ってしまいます。
でも、その失敗を、引きずることなく、最後までしっかり演技をして、それからは毎日のように、舞台にあがるのです。
そういう人は失敗しても、また失敗を繰り返すことを恐れず、最後には成功します。
そして、確かに、失敗することは、ものすごく怖いです。
私たちはつい、自分が失敗したシーンを、何度も何度も頭の中で繰り返し、落ち込んで自分の中でイメージしてしまいます。
そうすると、また、同じことを繰り返してしまう確率が高くなるのです。
同じ失敗をを繰り返さないようにする為に気を付ける事はあたりまえです。
でも、怖かったことを、忘れる事も大事なのかもしれません。
それから、このおはなしは、手に入れた宝も上手に使わないと、すぐ、なくなってしまうという事も書かれています。
ジャックは、最初に、金貨が入った袋を持って帰ります。
例えば、この時に、牛を何頭か買っておくとか、たまごをうむニワトリを何羽か買っておけば、よかったのです。
そして、畑に植える作物を手に入れておけば、その後、ぜいたくはできませんが、食べる事に困る事はなかったのではないでしょうか。
先を見越して、つづけて、お金をうむ物は手に入れておくべきでした。
ジャックと豆の木の原作
イギリスの昔話。
オーストラリアの民話研究者の、ジョジェフ・ジェイコブスが書いた、『イングランド民話集』の一遍です。
鬼の宝は、もとは、ジャックのなくなった、父親が、持っていたものであった。という説もあるのです。
このお話は各国で映画や、アニメにもなって、愛されています。
まとめ
『ジャックと豆の木』の教訓は、怖い物知らずは、時にはすごい事を成し遂げる。という事でした。
私自身、失敗がものすごく怖くて、立ち直るのに時間のかかるタイプです。
なので、怖い物しらずにはとてもあこがれます。