
みなさんは、雪女にはどんなイメージを持っていますか?
ほとんどの場合、怖い、冷たいイメージがあると思います。
でも、実はこのお話は、悲しい運命を背負った、女の人の恋のお話なのです。
その、雪女の行動には何か意味があるのでしょうか?
ここからは、『雪女』のあらすじを見ていく事にします。
雪女のあらすじ
山のふもとに、猟師が親子3人で、暮らしていました。
ある、冬の日、猟師はまだ10才にならない息子を連れて、山に入りますが、吹雪になってしまいます。
ふたりは、小さい小屋をみつけて逃げ込む事ができました。
しかし2人は、いつの間にか眠ってしまうのです。
夜中になって、息子は寒くて目が覚めます。
すると、小屋の戸が開いて、白い着物の女がスーッと入って来たのです。
そして、女は父親のそばに行き、ふっと息を吹きかけます。
すると、父親は固まって、動かなくなったのです。
それから、女は、今度は息子の方に近寄って来て、息子にも息を吹きかけようとしたのです。
けれども、「おまえはあまりにかわいいから、今回は、助けてやろう。でも、今見たことは、誰にも言うな。もしも、言ってしまったら、お前の命はないと思え。」といいました。
次の日、息子は村人に助けられました。
それから、10年ほど経った、お正月の事、外はひどい吹雪です。
そんな夜に、誰かが扉をたたきました。
息子が戸を開けてみると、若い美しい女が入ってきて、道に迷ってしまったので、一晩とめてくださいと言うのです。
ですので、息子は女を中に入れ、ご飯を食べさせてあげて、寝かせてやります。
ですが、女は何日たっても出て行かず、家の仕事を手伝っていました。
母親は、この女をとても気に入り、息子の嫁になったのです。
やがて、時が過ぎて、ふたりの間に、子供が生まれます。
そして、吹雪の晩に、女は囲炉裏のそばで、赤ん坊に乳をやっていました。
男はふと、あの小屋での出来事を思い出し、女にそのことを話してしまうのです。
すると、女はじっと聞いていたが、突然、赤ん坊を置いて、言いました。
「お前さん、あの時、『このことをしゃべったら、命はない』と言ったのを、忘れてしまったのか?」
そして、怖い顔で、男の方に手を伸ばしますが、「殺すに殺せない。この子を頼む。」と言って、出て行ってしまいます。
おしまい。
この『雪女』の教訓は?
どんなことを伝えたかったのでしょうか?
雪女の教訓
『雪女』の教訓は、きまりや、やることが当たり前になっている事がどれほどの効果や、意味ががあるのか?
それは、その都度、見直され、改善されなければ、なりません。
自分より、以前の人が、やるのが当たり前と決めた事で、今となっては、環境も、手順も変わり、そのことをやる意味がなくても、するのが当たり前と思い込んでいるので、やり続けている状態は改善されなければならないのです。
このお話の中では、雪女が、雪女がやるべき事(雪の中で会った、遭難した人たちを、殺す事)をするはずが、人間の子供があまりにも可愛かったので、やるべきことをしなかったのです。
そして、そのことを口止めしていたのに、息子はしゃべってしまいます。
ですので、雪女はこの息子を殺さなければならなかったのですが、大事な夫になっていたために殺せませんでした。
きっと、雪女はこのことで、この世にいられなくなったのでしょう。
雪女が人を殺すものと、誰が決めたのか、そのことにどんな意味があるのかは、わかりません。
けれども、もうすでに、雪女自身が、人を殺すことに意味を感じていなければ、従う必要がないのではないでしょうか?
例えば、仕事の手順で、以前からやっているから、とか、やる意味がわからないけど、やるように指示されたからなどの理由で行っていることが、あるとします。
すでに、会社のシステムが変わったのに以前の方法をやり続ける事などは、全く無駄な場合が多いのです。
例えば、昔、知り合いがケーキ屋さんに勤めていて、ケーキの上に乗っているイチゴだけが傷んでしまった事がありました。
そして、その人がケーキを処分しようとすると、イチゴだけを新しい物と取り換えるように指示されたそうです。
これは、今までそうしていて、何もなかったから、とか、そうするのが当たり前だから、そのことが、良い事か、悪い事か考えるのを怠ってしまっています。
その都度、それぞれが正しいか正しくないか、考えれば、こんなことは起こらないのです。
例えば、私は高校の時の部活動で、バドミントン部に入ってました。
でも、その部の昔からのしきたりで、1年生は、ほとんどの時間を、筋トレの決まったメニューをこなすことを優先的にやらなければならなかったのです。
その為に、ほとんど、羽に触ることが出来ず、バドミントン自体の上達は、他の学校よりも、遅かったのです。
もちろん、筋トレも必要ではあると思いますが、その為に本来の練習が出来ないのは、意味がないのではないかと、感じていました。
そして、自分が2年、3年になった時に、自分もやらされたからと、後輩にまた同じことをやらす事は、本当に意味がないのです。
そのことを、やって、良かったとか、意味があったならともかく、自分でも意味がないかもしれない、と思う事を、人に押し付けるのは、間違っています。
その時代に合った方法や、スポーツなら特に、効果のある方法で効率よく、練習をする方が成果は出やすいのです。
まして、根性を鍛えるためと言って、わざと意味のない、つらいことをさせるのは、全く意味がありません。
そして、雪女のお話は、妖怪でありながら、人間に恋をし、結ばれる内容でもあります。
最後には悲しい結末になりましたが、困難に思える事でも、願えばかなう事もあるというのも、このお話の教訓です。
雪女の原作
雪の多い東北、中部地方を中心に伝わる昔話。
小泉八雲が『怪談』の中で書いた、雪女伝説が有名です。
雪の妖怪のお話は全国に色々伝えられていて、人間を凍死させたり、精気を吸い取って殺してしまうお話が多い。
雪女は、ほとんどのお話で、白く、美しく、はかなげなイメージで描かれています。
まとめ
『雪女』の教訓は、古いきまりや、手順は、今の環境にあわせて、見直され、改善されなければならない。ということです。
周りはどんどん便利になり、それに合わせて、仕事もどんどん変わっていくので、ついて行くのが、大変です。
自分の頭の中も必要のない古い考えを取り除いて、新しい考え方を入れていかなければなりません。