
生き物が何かを食べるという事は、生死に直結する事です。
食べる事は生きる事なのです。
そして生きる為に仕事は必要です。
コロナウイルスの感染拡大の中で仕事をするという事について改めて考えた方も多いでしょう。
このお話には生きる事、食べていく事の教訓が詰まっています。
では、きつねとツルのあらすじから見ていきましょう。
きつねとツルのあらすじ
きつねはツルに平たいお皿でスープを出しました。
そして、きつねはツルにスープをすすめますが、ツルは平たいお皿からスープを飲むことは出来ません。
ツルが困っている様子を見て、きつねは笑いました。
今度はツルがきつねを食事に呼んで、細長い入り口の小さなビンにごちそうを入れて出します。
ツルはくちばしを突っ込んでおいしそうにごちそうを食べましたが、きつねはごちそうを食べる事が出来ませんでした。
おしまい。
きつねとツルの教訓
このお話の教訓は、自分の事ばかり考えていては生きていけないという事です。
相手の立場に立って物事を考える事も必要ですという事なのです。
このお話を読んで思い出したのが、天国と地獄の長いお箸のお話です。
ある時、地獄の人達の食事の様子を見ると、たくさんのご馳走がテーブルに並んでいます。
けれども地獄の人々はガリガリに痩せてしまって、お腹がすいている様子です。
ここでは1メートル以上ある長いお箸で食事をしなければならない決まりがあります。
地獄の人達は長いお箸で食べ物を挟んで、自分の口に入れようとしますが、どうしても食べる事ができません。
ですから、地獄の人達は目の前にご馳走があっても、いつまでたっても満たされないのです。
そして今度は、天国の人達の様子を見てみますと、みんなふくよかで顔色も良く、とても幸せそうです。
天国でも地獄と同じように重くて長いお箸で食事をしているのですが、地獄の人達とは明らかに違います。
それはなぜかと言うと、天国の人達は長くて重いお箸で挟んだ食べ物を自分の口ではなく、他の人の口に入れてあげていたのです。
そして、入れてもらった人はお返しに相手の好きな食べ物を口に入れてあげています。
こうする事でお互いが食べ物を口に入れる事ができます。
天国の人達は自分の事ばかりではなくて、お互いの事を考えて行動する事でお互いに満たされるのです。
そして、人間というのはお腹がすいたり、自分が大変な状況になると、余計に自分の事ばかり考え、他の人の事などは考える余裕がなくなります。
地獄の人達はお腹がすけばすくほど自分の事しか考えられなくなっているのです。
悪循環ですねえ。
それから、ここでもう一つ思ったのが、例えば、天国の人の中にひとり相手の事を思いやれない人がいたとします。
すると、この人は人に食べさせてもらうばかりで、人に与えようとしないので、そのうちに誰からも食べ物を口に入れてもらえなくなるのではないでしょうか?
反対に、地獄にひとりだけ他の人を思いやれる人がいたとします。
その人は人に与えてばかりで、自分は食べさせてもらう事が出来ず、最後にはその人も他の地獄の人のように飢えて相手を思いやれなくなるのではないでしょうか?
例えばお仕事でも、お互に助け合っていくことがとても大事で、1人だけで仕事を背負ってしまうと、最初のうちはうまくいっているように見えます。
でもそのうちに1人で仕事を背負っていた人は耐えきれずに、体や心を悪くしてしまったり、仕事をやめてしまったりしてしまうかもしれないのです。
何事もしてあげてばかりでも、してもらってばかりでも最後にはうまくいかなくなるという事です。
相手の立場を考えるという事は、実はとても難しいことです。
それは自分のしたいことや、してほしい事を一旦置いておいて、相手の立場を優先するという事なので、気持ちと身体の状態に余裕がないと出来ない事でしょう。
でも相手の事ばかり考えて、自分の気持ちを我慢してしまうばかりでは、最後には自分の気持ちにも体にも余裕がなくなってしまいます。
自分と相手の事を考える事のバランスが難しいですね。
そして、もう一つの教訓は、人にはそれぞれ特徴があり、生きていくにはそれぞれに合った方法があるという事です。
それぞれの生きて行く為の方法、仕事はその人それぞれに必要で、世の中が滞りなく回って行く為にはどんな仕事もかけがえがなく、その仕事に従事する人もかけがえなく必要なのです。
例えば、今コロナウイルス感染拡大で最前線で治療や業務にあたって下さっている医療関係の方々、生活に必要な食べ物や物資を作ったり売ったり配送したりして下さる方々等かけがえのない方々です。
それに他にも今は仕事をしたくてもできない状態でお家におられる方々も、それぞれにかけがえのないお仕事をされているかけがえのない方々です。
どの仕事もどの人も必要なのです。
その必要な人々がみんな、このコロナウイルスの収束後も以前と変わらずお仕事が出来るように、行き続けていけるように、上に立つ人は今すぐに困っている人に支援をしていく事が必要です。
そしてそれぞれが自分の出来る事をして、自分の事ばかりでなく他の人の事も考えて行動しなければなりません。
そうしなければ、皆が共倒れになってしまう事もあり得るのです。
きつねとツルの原作
イソップ寓話の中のお話です。
もとは奴隷であったアイソーポスが作ったと言われています。
寓話とは人にとって身近なお話から人を諭す意味を持ったお話になっています。
動物や物が擬人化されている事が多い。
まとめ
このお話の教訓は、相手の立場に立って物事を考えましょう。という事です。
そして、どの仕事も、どの人もかけがえのない存在であるという事です。
この事態に考えていたのですが、忙しい人は忙しく、仕事がない人は体と頭を持て余すという状態をうまく配分できないかなあと。
今は不要不急の外出は出来ないので無理そうですね。
でも、例えば副業とかではなく、皆がそれぞれ2個以上の仕事を持つのも良いかなあと思いました。
週の半分をお医者さんで半分を営業マンとか、出版業とサービス業とか、電車の運転手さんと学校の先生とか。
忙しくて頭の切り替えも大変で効率も良くないかもしれません。
でも生きる道が増えるし、楽しいかもしれません。