
アラジン、それはうまくいきすぎやろ、ずるいんちゃう?
というのが私のこの本を読んでの感想です。
でもそれはアラジンの実力でもあるのです。
ちゃらんぽらんに見えますが実はなかなか難しい極意です。
そして、このお話にはみんなが欲しい人物と、憧れのシーンもでてきます。
それでは、アラジンと魔法のランプのあらすじです。
アラジンと魔法のランプのあらすじ
むかし貧しい仕立て屋がいました。
名前はムスタファと言います。
ムスタファの息子のアラジンは仕事を覚えようともせずに、遊んでばかりいたのです。
そうするうちにムスタファは亡くなって母親だけになると、アラジンは一層遊びまわるのです。
そしてアラジンが15歳の時、見たこともない男がやって来て、自分はムスタファの弟だと言います。
その男はムスタファが亡くなったと聞いて、号泣するものですから、アラジンも母親もすっかり信じ込んでしまうのです。
そして男はお土産を持って来たり、アラジンに高価な服を買ってやったりしました。
するとある日、男は「アラジンを上流の人が集まる公園へ案内します。」と言ってアラジンを連れ出します。
実はこの男は大ウソつきで、ムスタファの弟ではなく、魔術師だったのです。
それから男はアラジンを連れてどんどん遠くへ連れて行きます。
男は「あの山のふもとにお宝が眠っているんだ。」と言い、やっとそこにたどり着くと何やら呪文を唱え始めました。
すると、不思議なことに大地がグラグラ揺れて、穴の底に大きな岩の板が出てきました。
ですからアラジンは怖くなって逃げようとしましたが、男につかまってしまいます。
男はアラジンにお守りの指輪を渡し、地下室の奥のランプを取って来るように言いました。
そして、「アラジン、ランプを取りに行けるのはこの世にお前ただ一人なんだ。」と言うのです。
なのでアラジンは勇気を出してランプを取りに行きます。
男は「行く途中は絶対に周りの物に触るな。帰りに庭の果物を取るのはかまわん。」というので、アラジンは言われた通り、行きは金貨の袋や果物に触らず、無事にランプのある所までたどり着きます。
そして、ランプを懐に入れて帰りに果物をたくさん詰め込んで帰るのです。
ですので、ランプは背中の方に押しやられてしまいます。
入り口で男はまずランプを渡すように言います。
ですが、ランプは背中の方に入っているので「穴の外に出ないと渡せない。」とアラジンが言うと男は石の板の入り口をふさいでどこかに行ってしまったのです。
さて、穴の中は真っ暗でアラジンは手探りで出口を探しましたが見つかりませんでした。
アラジンはとうとう座り込んでお祈りをするように手を合わせます。
そうすると、指輪の精がどこからか現れたのです。
そして指輪の精は「指輪を持っている方の奴隷でございます。」と言うのでアラジンは「それなら何とかして外に出たいんだ。」と言って気が付くともう穴の外に立っていたのです。
それからアラジンはふらふらになりながらやっと家にもどります。
アラジンはとてもお腹がすいていたのですが、家の中には何も食べる物がなかったので何か売るものはないかと探し始めます。
アラジンはランプを持って帰って来たことを思い出し、お母さんはそのランプがあまりにも薄汚れていたので、ランプを磨こうとした瞬間、今度はランプの精が出て来たのです。
ですからアラジンはランプの精に何か食べる物を出してくれるように頼みます。
するとランプの精はたくさんのごちそうと飲み物を持ってきて消えてしまいます。
料理は金の皿に乗っていたのでアラジンとお母さんはごちそうを食べたあとお皿を売ってしばらくは暮らすことが出来たのです。
ある日おふれが出て、「お姫さまが浴場においでになるので、しもじもの者は家の戸を閉めて中にいる事。窓から尊い姿をのぞいたりしてはいけません。」だとのこと。
ですが、アラジンは美しいと評判のお姫さまをひと目みたいと思うのです。
なのでアラジンは浴場へ先回りして扉の陰にひそんで見ていたのです。
お姫さまはベールをぬいでササーっと浴場に消えていきました。
その日からアラジンはお姫さま事ばかり考えていたのです。
そして、どうにかして自分のお嫁さんになってもらえないか考えていました。
ですので、アラジンはランプを取りに行った時に採ってきた果物を出してきました。
この果物は実は全部宝石だったのです。
その宝石を瓶に入れてお母さんにこれを王様の所に持って行って自分にお姫さまを下さるようにお願いしてくれと頼むのです。
何とか母親が王様にお願いすると、王様は「こんな高価な宝石を持ってくるのだから、きっと裕福な家の者であろう。」と考え「よかろう。」と考えもしないで返事をするのです。
母親はそれは喜んでアラジンに報告すると、アラジンも大喜びで婚礼の日を待ちわびていたのです。
しかし、町が騒がしくなり、母親が聞いてみると、なんとお姫さまが大臣の息子と結婚するお祝いだそうです。
なんとこの婚礼は前から決まっていたという事です。
ですので、アラジンはランプの精に頼んで2人が寝ているベッドごと運んできてもらうのです。
そして、大臣の息子はまほうのにかけられ夜じゅう閉じ込められるのです。
何晩もそんな怖い目にあった大臣の息子はお姫さまと結婚するのをやめてしまいました。
ですから母親はまたアラジンにお姫さまをもらう話をしに行くと、王様は「大皿にもった宝石を40皿用意しろ。」と言うのです。
なのでアラジンはランプの精に頼み、王様の言う通りに宝石を用意しました。
すると、王様はアラジンをお姫さまのおむこさんにすることを承知したのです。
それから一晩で王様の宮殿の前に一層大きな宮殿を作ったのです。
そして、結婚式は滞りなく行われ、アラジンは王子さまになりました。
そして、何年か過ぎた頃、おかしな男が現れて、古いランプと新しいランプを取り換えますよと言うので、お姫さまは次女に夫の部屋に置いてある古いランプと新しいランプを取り換えるように言いつけたのです。
この男は実はアラジンにランプを取りに行かせた魔術師でした。
ランプを手に入れた魔術師はさっそくランプをこすってランプの精をだして、アラジンの宮殿をアフリカに運べと指示したのです。
宮殿はお姫さまごとなくなり、アラジンは40日以内にお姫さまを探し当てないと王様に首をはねられます。
アラジンは三日三晩探し回り、最後には手を合わせて祈り始めました。
すると、はめたまま忘れていた指輪の精が出てきて「御用でしょうか?」と聞くのです。
ですからアラジンは自分の宮殿とお姫さまのいる場所に連れていってくれるようにたのみました。
そして、アラジンは眠り薬を魔術師に飲ませ、眠った所でランプを取り戻し、魔術師を殺してしまいます。
それからアラジンとお姫さまは幸せな日々を送りました。
おしまい
アラジンと魔法のランプの教訓
このお話の教訓は、あきらめずに願い続ける事です。
そして、あきらめなければ、なんとかなるという事です。
アラジンは1人で真っ暗な穴の中に閉じ込められた時も、お姫さまと結婚したいと思った時も、お姫さまが宮殿ごとどこかへ行ってしまったときも、ずっと願い続けていたのです。
このお話の中ではランプの精や、指輪の精が助けてくれるのですが、もうどうしようもないと思った時に人は意外な能力を発揮するもので、それはその人の今までの生き方や前向きな考え方や、色々な経験があるからなのです。
そこには、知識も必要ですが、実際に使える知恵や、どれだけ落ち着いて対処できるかという事も含まれてくるのです。
このアラジンはお父さんに服の仕立ての勉強をしろと言われてもあそんでばかりでちっともいう事をききませんでした。
アラジンは遊ぶことで、家の中の事や家業の事だけではなくて、世の中の事や人との接し方を学んだのではないでしょうか?
後先も考えずに遊べることは実はとてもすごい事なのです。
遊び続けたらどうなるかとか、利益になるとかならないとか考えないで物事をやり続けられることはある意味すごいと思うのです。
どうしても、人はこの事をし続けたら何が手に入るかとか、何が出来るようになるかとか、お金が入って来るかとか、利益を考えてしまいます。
でも、好きな事を趣味として楽しくやり続けた人の方が最終的には本当にやりたいことを出来ているのではないでしょうか?
色々な悩みはつきませんが、遊ぶ時には思いっきり遊びに没頭して、自分の好きな事を突き詰める事が大事なのでしょう。
反対に何かの為とか、将来の仕事になるとか、純粋に楽しんで趣味に没頭できなかった人は、自分が何が好きで何が出来て何に向いているのかわからなくなってしまうこともあるのです。
例えば私は趣味だと言って色々な事をやりながら、何もかも忘れて没頭したことがなく、どこかで無駄な時間をすごしているような気がして罪悪感があったり、やっている事が恥ずかしくて家族や友達に見せられなかったりしていました。
どこか、没頭している自分を作っていたような気もするのです。
そんな趣味が長持ちするわけもなく、色々な趣味と遊びを転々としてきました。
ですから、1つの事を「好きだ!」と言って、没頭して時間を過ごせる人がどこかうらやましいのです。
それからもうひとつはお姫さまのような人は、自分と全く違う、ちょっとどこかこの人大丈夫かな?という感じの人を好きになる事が多いという事です。
人はどうして自分の中にない物を持っている人に惹かれるのでしょう?
実は自分と似た所を持っている人には遺伝子的に惹かれあいにくくなっているのです。
これは強い子孫を残すためなのだそうです。
自分と似た所を持っている人の方がお互い分かり合えて楽しく生活できそうです。
でもなぜか実際にとても惹かれて付き合うのは全く何を考えているか理解できない位、自分と違う所のある人の場合も多いのです。
そして、このお話は困った時に大きな力を持ったものが現れて助けてくれて、しかも逆玉に乗ってお金持ちになるという夢みたいなお話で、最後には悪者もやっつけて地位も力も手に入れる誰もがうらやむサクセスストーリーです。
現実離れしたお話だからこそ物語になって広まっていったのです。
実際には困難には自分で立ち向かい、地位もお金も実力で手に入れなければなりません。
実はこのお話には『現実ではそんなにうまくいく事はめったにないよ。』という教訓もあるのではないでしょうか。
アラジンと魔法のランプの原作
千夜一夜物語(アラビアンナイト)が原作のお話だと言われていますが、アラビア語の原作にはこのお話は載っていませんでした。
西洋に紹介されたアラビアンナイトにはこのお話がかかれていた物もあるのです。
ディズニーなど何度も映像化されている。
まとめ
アラジンと魔法のランプの教訓はあきらめなければ、なんとかなるという事です。
そして、遊ぶ時には思いっきり遊びに没頭して、自分の好きな事を突き詰める事が大事だという事です。
ピンチの時に強い大きなものが現れて悪者を倒してくれるお話は分かりやすくて子供にとても人気のあるお話です。
しかも、ベッドや宮殿を人をのせたまま運ぶというシーンはみんなが憧れるシーンなのではないでしょうか?