
あなたはこの絵本を読んだことがあるでしょうか?
このかしこいビルは、あまり長くはない、わかりやすいお話です。
そして、一度読むとなぜかわすれられないお話なのです。
このお話の主人公のビルには特別な能力がある訳ではありません。
でも、すごいのです。
それではここからはかしこいビルのあらすじを見ていきます。
かしこいビルのあらすじ
郵便屋さんがメリーに手紙を届けてくれました。
それはおばさんからで、
メリーちゃんへ
うちへあそびにいらっしゃい。
いくつおとまりしてもいいですよ。
おばさんより
メリーは返事を書きます。
おばさま
ごしょうたいどうもありがとう。
かようびにまいります。
メリーより
それからメリーは荷造りをしはじめました。
コロコロ動く木のお馬のおもちゃと、手袋、それからお人形と笛。
靴にティーポット、ブラシも必要です。
それから兵隊さんのビルは絶対に連れて行かなければなりません。
それに、おさいふも必要です。
メリーはトランクに全部詰め込もうとしましたが、どう入れてみてもなかなかはいりません。
そうするうちに、時間がなくなって、いそいで押し込んでふたをしたのです。
すると、なんとビルを入れ忘れてしまいました。
ビルは最初泣いていましたが、起き上がって走って走って、線路にそって走って、とうとう駅でメリーに追いついたのです。
ビルはなんてかしこいのしょう!
かしこいビルの教訓
このお話の教訓は、想像力は人同士のコミュニケーション能力を高める為に必要であるという事です。
むかし、あなたが子供の頃、女の子でしたらかわいい縫いぐるみや人形、男の子でしたら、テレビのキャラクターの塩ビの人形やミニカーを動かしたりしゃべらせたりして遊んだのではないでしょうか?
こどもの時にごっこ遊びや、人形とおしゃべりして遊ぶことは、自分とは違う他の人と話をしたり、かかわりを持つ練習をしているのです。
これは、言葉のやり取りを反復して、人がどういう風に会話をしたのか確かめていたのでしょう。
そして、そうする事により、自分の思っている事を相手に伝えたり、実際に表現する力が身につくと言われています。
子供の頃は自分の身近な周りの事を復習して、真似をすることが最大の遊びなのです。
それでは、大人になると想像することがなくなってしまうのでしょうか?
例えば、私たちは事故や危険を回避するために、日々毎日歩く道でも、日常の生活でも無意識のうちに行動した先の状態を想像しながら生きています。
そして例えばあなたは、好きな人と話ができてうれしかった時、後から何度も好きな人が自分掛けてくれた言葉や、その言葉に対して自分がどう返事したかなど、好きな人の表情や口調を思い出しながら、何度もその場面を想像したことがあるのではないでしょうか?
そうすることで、その時のうれしかった気持ちを思い出したり、好きな人がその時何を思っていたのか、想像して確認しようとしています。
人は大人になっても、色々な場面で想像力を発揮しているのです。
そして、このお話のもうひとつの教訓は、信じて進んでいけば、達成できるということです。
このお話は、作者が娘さんの持っていたおもちゃを題材に娘さんの為に作ったお話でした。
作者は素晴らしい想像力でビルをものすごい勢いで走らせ、メリーの元にたどり着かせます。
ビルは、最初メリーに忘れられたとわかった時、うなだれてたくさんの量の涙を流すのです。
でも、ビルはすくっと立ち上がって走ってメリーを追いかけ始めます。
少し考えると、小さな人形が走って列車に追いつくなんて考えられないのです。
でもこのお話に出てくるビルは、なんとしてでも追いつこうと必死で走りました。
追いつかなかったらどうしようと思うような不安もないのです。
きっと追いつくまで走り続けるのでしょう。
それはビルが追いつく事を信じていたからできた事なのではないでしょうか?
はじめから、ただ泣くだけであきらめて追いかけていなければ、絶対に出来なかったでしょう。
あきらめてしまうより、出来ると信じて突き進めば、達成できるという事です。
出来なかったらどうしようとか、出来ないかもしれないと思って最初からあきらめるよりも自分を信じて進んでみる事が大事です。
かしこいビルの原作
ウィリアム・ニコルソンは娘のメリーの為にこのお話を書きます。
ニコルソンは、舞台美術や肖像画家として、有名でした。
絵本はこの『かしこいビル』の他に、『ふたごの海賊』をかいている。
まとめ
かしこいビルの教訓は、想像力は人同士のコミュニケーション能力を高める為に必要であるという事です。
そして、信じて進んでいけば、達成できるということです。
子供たちがままごとをしているのをそっと見ていると、私の口調そっくりに話すのです。
時には、『私、そんな事言ってる?』って思うようなことを言っている事がありますが、周りの人に聞いてみると、私が無意識に言っている口癖などを、そっくりに真似している事が判明します。