
この絵本は息子がまだちゃんとしゃべれない小さな頃から大好きで、何度も読んでとせがまれた絵本です。
男の子は車などの乗り物が大好きです。
このお話はきかんしゃが主役なので、そのことも大好きな理由だったのでしょう。
でも、その事だけではないこのお話の魅力を何か感じていたのかもしれません。
それでは、ここからはきかんしゃやえもんのあらすじです。
きかんしゃやえもんのあらすじ
あるいなかの町にやえもんというきかんしゃがいました。
やえもんは今まで長い間働いてきたので大変年を取ってくたびれています。
この頃のやえもんは足や背中が痛かったので、駅を出るときは「ひゃあ!」と悲鳴をあげました。
それから、「しゃっ、しゃっ、しゃくだ、しゃくだ・・・」とおこりながら走ったのです。
そして、大きな駅に着くと可愛いレールバスや綺麗な電気きかんしゃがいました。
ですから、やえもんは、汚い自分の姿が悲しくなったのです。
ある日、やえもんがお昼のおべんとうの石炭を食べていました。
すると、貨物をひいた電気機関車はやえもんが石炭を食べている事を「せきたん食っておいしいか~?」とからかいます。
そして、「びんぼう汽車やーい!」笑いました。
やえもんは怒って、もくもくと黒いけむりを吐きます。
やがて、やえもんは機関庫に帰る為に走り出しました。
「おれはいままで長い間働いてきたのに、みんなで俺をばかにする。しゃくだ、しゃくだ、・・・」
やえもんは黒いけむりと赤い火の粉を吐き出しながら走ったのです。
すると、田んぼに干してある稲に火の粉がかかり、火事になってしまいました。
お百姓さん達は怒って「やえもんを動かないようにたたいてしまえ!」と言ったのです。
やえもんは「知らないでとんでもないことをしてしまった。ごめんなさい。」と謝ります。
さっそく町の駅ではやえもんをどうするか、会議が開かれました。
そして、やえもんはもう役に立たないので、こわしてしまう事に決まったのです。
やえもんは町に連れてこられました。
すると、ひとりの人が、「これは実にめずらしい古い機関車です。この機関車を博物館にゆずってもらえませんか?」と話しかけてきたのです。
鉄道の人は「それは良い考えだ。」と言いました。
そして、やえもんは子供たちにピカピカにきれいにしてもらいます。
それから、博物館に行ったやえもんは、ひなたぼっこをしながら、子ども達や小鳥に昔話をするのが楽しみになりました。
おしまい。
きかんしゃやえもんの教訓
このお話の教訓は、働くという事はどういうことか?という事です。
今の日本の世の中で、お金がなくて食べるものがなくて苦労する事は、よっぽど何か悪い事が重ならない限り、出会う事はありません。
ですから、どうして働かなければならないかが、わからない人も多いかもしれません。
働く力があるのに働かない人は、親や他の誰かに頼ってきて、ご飯を食べて住む場所もあるので、誰かが働いて得たお金で生きているという実感がないのです。
人はお金をもらう為に働きます。
お金がなければ何も買えませんし、住む家を借りる事も出来ないのです。
もちろんそこにやりがいを感じられたり、少しでも好きな事が含まれていれば良いのですが、なかなかそんなに上手くいくものでもないでしょう。
まず、お金を稼いで生活していかなければならないからです。
ひとりでやりくりしてみる事でお金の出入りを実感できるかもしれません。
電気代、水道代、ガス代、食費や税金、消耗品代等、意外なものにお金がかかっている事がわかります。
生きる事は働く事。
働く事は生きる事。
こう言ってしまうと、なんだか働くのが嫌になりそうですが、今も昔も働かなければご飯も食べられませんし、生きていく事もできないのです。
「ちゃんと働けば必ず報われる日が来る。
自分の力を信じて、一生懸命働いていれば、きっと誰かが助けてくれる。
一番悪いのは人がなんとかしてくれると思って生きる事だ。
人は人をあてにするものを助けたりしない。」
ドラマのセリフですが、生きて働く事とはこういう事だと改めて思いました。
そして、働く事は辛い事ばかりではなくて、考えようによっては、楽しみもあるのです。
今まで知らなかった事を知る事が出来て、仕事をしなければ知る事がなかった人の事を知る事が出来ます。
そして、出来なかった事が出来るようになったりするのです。
辛い事もありますが、成果が上がったり、出来るようになることは楽しいことです。
それから、自分で働いて得たお金で欲しかった物を手に入れたり、おいしいものを食べるのは、人に与えてもらう時にはない喜びがあります。
そして、もうひとつの教訓は、古い物の価値をもう一度考え直すことです。
最近は身の周りの物でも、電化製品でも、どんどん新しい物が出てきます。
新しい物には新しい機能が付いていて、たくさんの魅力があります。
ですから、今使っている物がまだ使えるのに、新しい物に買い替えるのが当たり前の時代になってしまいました。
けれども、私たちが何も考えずに捨ててしまった電化製品やプラスチックはどこかで処理をして、捨てなければなりません。
その処理や廃棄場所が、追いついていません。
ゴミが世界中にどんどんあふれていっているのです。
古い物やまだ使えるものの価値をもう一度考える時代がきているのかもしれません。
きかんしゃやえもんの原作
「やえもん」という名前は、アメリカで農業に成功した日本人の名前からとったと言われている。
1959年に刊行され、120万冊以上売れたロングセラーです。
小学校の教科書に載せられたり、アニメ映画化されたり、舞台化もされました。
小説家の阿川弘之さんが文を書いています。
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まとめ
きかんしゃやえもんの教訓は、働くという事はどういうことか?という事です。
そして、古い物やまだ使える物の価値をもう一度考え直さなければいけないという事です。
それから、このお話を読んで思った事があります。
最近は老害という言葉も使われるようになってしまいました。
でも、おじいさんやおばあさんは、今までずっと、働いて生きて来たのです。
それは、そのことだけでもすごい事だな思います。