
あなたは、周りの人達や、今の環境がつまらなくて面白くないと思ったことが一度くらいはあるのではないでしょうか?
自分は人とは違って面白いと思った事もあるのではないでしょうか?
実は、かつてのあなたの行動は、自分の為に無意識にやっていたことだったのです。
それでは、こねこのぴっちのあらすじを見ていきましょう。
こねこのぴっちのあらすじ
りぜっとおばあさんの家にはおとうさん猫とおかあさん猫がいました。
おかあさん猫は少し前に5匹の子猫を産んだのです。
その中で、一番小さくて一番おとなしい子猫はぴっちといいました。
ぴっちは他の4匹の子猫が取っ組み合いをしたり、毛糸にじゃれたりして遊んでいるのに、ひとりかごの中で考え事をしています。
ですから、犬のべろはぴっちを心配そうに見ていました。
ぴっちは、毛糸にじゃれたり、ほうきを倒して遊んだり、そんな事とは全然別の事がしたかったのです。
りぜっとおばあさんは他にも色んな動物を飼っています。
裏庭にはひよこがいて、ぴっちはひよこ達と遊びたいと思うのです。
でも、めんどり母さんはそんな事は嫌だったので、ひよこ達を連れてどこかへいってしまいました。
すると、今度はおんどり父さんがやって来ました。
ぴっちはおんどり父さんの歩き方があまりに立派なので、おんどりになることにしたのです。
練習して、2本足でけっこう上手に歩く事が出来るようになり、大きな声で「こけこっこー!」と鳴くことが出来るようになりました。
すると、おんどり父さんも負けじと大きな声を張り上げて、鳴くのです。
すると、となりのおんどりがうるさすぎて怒りだします。
そして、2匹のおんどりはけんかをし出したのです。
それをみて、ぴっちは「こんなことならおんどりなんかなりたくない。」と言います。
それから、原っぱに行くと今度はりぜっとおばあさんのやぎがいました。
ぴっちは「ぼく、やぎになってみたいなあ。」と言うと、やさしいやぎは自分の鈴をぴっちに貸してくれたのです。
そして、ぴっちは角の代わりに気の枝を頭につけます。
そこへ、りぜっとおばあさんがやぎの乳をしぼりにやって来ました。
すると、ぴっちは「乳をしぼられるのなんか嫌だ。」と逃げ出します。
そして、今度はあひるがいました。
ぴっちはあひるのまねをして、池に入ってしまいます。
ですが、ぴっちは泳げなかったので、危うくおぼれそうになり、あひるのおばさんに助けてもらいました。
それを見ていた、うさぎの子供たちは、少し乾いてきたぴっちのからだに鼻を押し付けてにおいをかぎます。
ぴっちは「ぼくの耳ももう少し長ければ、うさぎになれるのに」と思いました。
そして、夕方になり、うさぎの子供たちが小屋に帰っていくと、ぴっちは子うさぎ達と一緒にこやに飛び込みます。
りぜっとおばあさんは、ぴっちが中にいるのも知らずに小屋にかぎをかけてしまうのです。
ぴっちは池に入ったので、寒くてこごえそうでしたが、疲れていたので眠ってしまいました。
でも、夜中気がついてみると、そこはうさぎ小屋だという事を思い出し、帰りたくなります。
ですから、ぴっちは大声でなきました。
すると、おおきな黒いけものたちがやってきたのです。
ぴっちはもっと怖くなってもっと大きな声でなきました。
すると、犬のべろがぴっちの声に気が付いて吠えたてます。
りぜっとおばあさんも起きだし、べろはうさぎ小屋でぴっちをみつけるのです。
そしておばあさんはぴっちのからだをふき、あたたかくしてミルクを飲ませてやります。
次の日、ぴっちは重い病気にかかってしまいました。
どうぶつたちは代わる代わるぴっちのお見舞いにやってきたのです。
ぴっちは少しづつ良くなりました。
そして、他の子猫たちと遊べるようになります。
それからは、ぴっちはねこより他のものになるのはやめようと思いました。
おしまい。
こねこのぴっちの教訓
人は一時的に、特に若いある時期にとんでもなくとっぴな格好をしたがる時期があります。
例えば、髪をカラフルに染めて見たり、ガングロや、超ミニのボディコンや、ものすごい前髪や盛った髪型もそうです。
そのときの流行というのもあるのですが・・・。
他には、私の姉は35年位前に関西の田舎の町で髪を刈り上げて、リュックサックを背負って歩いていました。
その当時は女の人の刈り上げは珍しいですし、リュックを背負うのはハイキングに行く時位で、今ほど通勤や通学にも使われていなかったのです。
ちなみに美容院では刈り上げにするのを断られて、散髪屋さんに行っていました。
そんな若者を周りの大人が見れば、あまりに目立ちすぎるので、批判したくなる事があります。
さて、こういう人たちは本当に目立つ格好をしたいからするのでしょうか?
どうして、そんな恰好をするのかと聞くと、「そうしたいから。」とか「普通はダサい。」とか言うのではないでしょうか?
ですが、服装や髪型や化粧は人からの目が切っても切れない関係にあるのです。
そこには必ず人の目があって、人の目を気にするから、必要以上に派手にしたり地味にしたりするのではないでしょうか?
実は自分がしたいからそうしているのですが、本人は意識していなくても、知らないうちに必ず周りの目を意識して自分の見た目を作っているのです。
着る事や髪型や化粧は、人の目が切っても切れない事です。
よっぽど疲れて、服の事などかまっていられない時でも、はだかで外を出歩くわけにはいかないので、服を身に付けます。
どうしても意識していなくても、人の目があることが前提で行動しているのです。
そして、「普通はダサい。」という考えがあるという事は、普通である周りと自分を比べているという事です。
周りは関係ないと言いながら、無意識に周りを気にして、周りと比べているのです。
周りの大人から「そんな格好はやめなさい。」と言われるので、余計に反抗してやりたくなったり、周りと違う事をして、他の人に注目されて自信を持ったり、自分は他の誰とも違うひとりの人間だという事を確認しているでしょう。
人はみんな、自分という人間を周りと比べながら、どういう人なのかを確認しながら大きくなるのでしょう。
本当はそのことが正しいのかどうか、それはわかりません。
もっと自由に、子供の時から、自分はこういう人だと確信して、突き進んで来られればいいのかもしれません。
そして、もう1つの教訓は、家族のありがたさはそこから離れてみて、初めてわかるという事です。
このお話のぴっちは、色々な動物の真似をしてみましたが、おぼれかけたり寒い思いや怖い思いをして、最後には病気になってしまいました。
そして、自分がつまらないと思っていた環境がどれだけありがたい環境であったか、思い知るのです。
子供だった時に、親が守っていてくれた環境の中で文句ばかり言って、高校卒業後にさっさと家をでた私のようです。
自分で自分の世話をして、限られたお金の中で、生活するのがどんなに大変か思い知りました。
そして、ひとり住まいの怖さも知ったのです。
家に帰れば誰かがいるという事はどんなに心強く、ありがたいことでしょう。
もし実家くらしで、親に色々不満がある人があれば、一度家を出ていく経験もぜひおすすめです。
こねこのぴっちの原作
スイスの絵本作家、ハンス・フィッシャー(1909~1958)がもともとは自分の子供のために書いた。
他にも、『長靴をはいた猫』の文や絵を書いたり、『ブレーメンの音楽隊』の絵を担当した本を出版している。
そして、人気のある石井桃子さんの文でかかれています。
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まとめ
こねこのぴっちの教訓は、人は一時的に、特に若いある時期にとんでもなくとっぴな格好をしたがる時期があるという事です。
そして、家族のありがたさはそこから離れてみて、初めてわかるという事です。
私たちは、強弱はありますが、周りから見るととんでもない恰好をしたり、見たことがないような髪の色に染めてみたりした時期はあったように思うのです。
ですが、大人になると、そんな事はすっかり忘れてしまって、派手な格好をしている若者を批判したくなったりするのです。