
ガリバーがたどり着いた国には何とも小さな人が住んでいました・・・。
というお話は誰でも子供の頃読んだ有名なお話です。
ところが、ガリバーの航海はそれだけでは終わりませんでした。
実はその後のお話の中で、ガリバーは大変な目に会います。
そこには、人の本能による考え方の怖さがあります。
さて、ここからはガリバー旅行記のあらすじです。
ガリバー旅行記のあらすじ
ガリバーという人がいました。
ガリバーは船で船乗りの病気をみるお医者さんです。
ある時大きな船で航海中に大あらしにあったのです。
そのあらしで乗っていた船は岩にぶつかって真っ二つになりました。
ガリバーが気が付くとそこは静かな砂浜です。
「良かった、たすかった。」と立ち上がろうとすると、体がびくとも動かないのです。
なんと、体がなわでしばりつけられていました。
そして、小さな小人たちが体の上に乗って、「無駄な抵抗はやめろ!」とわめいています。
それから、食事の時間になると、私の口の中に食べ物をなげこみました。
ちいさなちいさな食べ物です。
あくる日、百頭の馬がひく馬車に乗せられて、王様のいる都に連れて行かれたのです。
道端は見物人が大勢いました。
都に着くと、ガリバーは、王様に自分の持ち物を見せたのです。
すると、王様は大きな丸い、音をたてて動くものに興味津々でした。
つまり、それは時計です。
ふたりの役人が間違ってピストルの引き金を引いて、「どかん!」と大きな音がして、王様はこしを抜かしてしまいました。
あまりの大きさに、ガリバーが町を散歩すると大騒ぎになります。
しばらくすると、ぶらぶらしているのもあきたので、トンネル工事をしてみました。
小人にとっては、大仕事ですが、ガリバーにとっては、半日仕事です。
ある日、となりの国から軍艦が攻めて来たのです。
ですからガリバーは海に入って行って、軍艦を片っ端から生け取ってしまいました。
王様は大喜びし、ガリバーはごほうびに服を作ってもらえることになります。
でも、おはりこさんが、何百人も総がかりで大変です。
そのうちに大臣たちは、ガリバーの服を作った事で、国の貯金が全部なくなったことや、ガリバーが国中の食べ物を全部食べてしまう事で困り果ててしまったのです。
そして、「王様、ガリバーをこの国から追い出してください。」と頼みます。
ですから、王様は国中の船大工を集めて、ガリバーが乗れる大きさの船を作ってくれたのです。
そして、出来上がった船にガリバーは乗り込んで、帰っていきました。
おしまい。
ガリバー旅行記の教訓
このお話の教訓は、相手の立場になってみないと本当の気持ちはわからないという事です。
実際には強い立場を利用しようとする気持ちはないが、人間は本能的に、自分より強いか弱いかを感じ取り、相手に接してしまうものです。
このお話は、今ではガリバーの冒険の童話として読まれる事が多くなっています。
そして、小人の国に行くお話として知られているのです。
しかし、この後ガリバーは巨大な人の住む国に行きます。
まず、小さな国の人達はガリバーから見ると、とても興味深いのです。
例えば、ミニチュアは憧れますし、とても繊細で可愛いのです。
ドールハウスも、つい見入ってしまいます。
それが、人型ミニチュアでしかも人と同じように動くとなると、それはとても興味深いです。
それにそのミニチュアが、好みのビジュアルだったら、ちょっと手元に置いておきたいなと思うのです。
きっと、動きもちょこまかして、可愛いでしょう。
そして今度は、ガリバー旅行記は、この後、今度は巨大な人たちが住む国に行くお話になります。
そこで、今までと立場が逆転します。
私たちは、自分たちよりも大きい者を見た時は、恐怖を感じます。
大きさだと、今でいう進撃の巨人みたいな感覚でしょうか?
ここでは相手に知性もあり、言葉もある程度は通じます。
それでもかなりの恐怖だったと思います。
そして、その国でガリバーは見世物として扱われるのです。
ガリバーは巨大な人の国の王妃に気に入られて、一緒に食事をします。
王妃は大きな鳥を骨ごとバリバリ食べたり、ガリバーが食べられる量の何十倍もの量を食べるのです。
それをみて、ガリバーは嫌になってしまいます。
立場が変われば見え方も変わるのです。
そして、巨大な人の動きは荒く粗雑で乱暴に感じます。
大きな人が普通に動いていたとしても、小さな人には荒っぽく感じるのでしょう。
それから、ガリバー旅行記の中では、巨人の体は大きく見えるので、大変グロテスクであると書いてあります。
女の人の乳房は、乳首は自分の頭の半分くらい、乳房は自分の背たけ位あったそうです。
そのうえ、皮膚も拡大して見えるので、でこぼこで、斑点だらけでした。
実は大きな食べ物を野蛮にバリバリ食べるのも、拡大された皮膚がグロテスクなのも、動きが粗暴なのも、そっくりそのまま、小人の国にいた自分だったのです。
自分が大きい側の立場の時は、小さい人たちの気持ちはわかりませんでした。
そして、ガリバーは自分でも意識しないまま、大きい立場の時は、小さい人達には勝てると感じて、どこか傲慢になっていたのです。
実際に逆の立場になってやっと、相手の気持ちが少しわかるようになるのではないでしょうか?
例えば、教える側と教えられる側。
それから、雇う側と雇われる側。
何かを頼む側と頼まれる側。
言う側と言われる側。
いじめる側といじめられる側。
相手の立場と本当の気持ちはわからないものと意識した上でわかるように努力をしなければなりません。
そこで、違う国の人たちが来るという事で、思いだしたのですが、もうすぐたくさんの海外の人達が働く目的で日本にやってきます。
私たちはその時に、立場の強さ弱さを感じることなく、海外の人達に接することができるのでしょうか?
こう考える事自体おかしいのかもしれません。
でも、実際には日本にも雇う立場の人もいますし、色んな立場の人がいます。
海外の人が、巨人の国に入ってくるような感覚にならないように、しなければなりません。
ガリバー旅行記の原作
アイルランドの作家ジョナサン・スウィフトによって書かれ、1726年に出版されました。
実際に、イランにリリパッドという人たちが住んでいて、1500年前は、身長が1メートル未満だったという事です。
それは、食事や飲用水の影響と言われています。
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まとめ
このお話の教訓は、立場の違いで大きく感覚がちがう事、感じ方が違う事でした。
そして、相手の立場になってみないと本当の気持ちはわからないという事です。
例えば、宇宙人がやって来た時は私たち地球人は大きく見えているのでしょうか?
それとも、小さく見えているのでしょうか?