
「人見知り」とか「あがり症」と言うと、いい年をしてと思われますが、年々相手の思っている事を読もうとしてしまう癖がついてきて、あー相手はイライラしてるだろうなーと思うと余計に上手く動けなくなることがあります。
最近、見ていて「大変だろうな」と思う若い方がとても多くて、どうしたら長く続けたり、本来の色を発揮できるかな?と思ったりします。
さて、ここからは青い鳥のあらすじから見ていきます。
青い鳥のあらすじ
木こりの子のチルチルとミチルはとても貧しく、クリスマスイブの日もご馳走やツリーがありません。
そんな時、おばあさんがやって来て、2人に幸せの青い鳥を探してくれるように頼みます。
なんでも孫娘の病気をなおすためだそうです。
2人の家には、お父さんがプレゼントに捕って来てくれた鳥はいましたが、その鳥は青い鳥ではありませんでした。
そしておばあさんは、チルチルに光るダイヤのついた帽子をかぶせます。
その帽子のダイヤを左に回すと七色に輝き、戸棚から水やミルクの妖精が出て来たのです。
そして、犬も猫も日本足で立ち上がり、ランプが光の精になりました。
まず最初に、空の月の光の方向に伸びた階段を上って、思い出の国に行きました。
思い出の国には、亡くなったおじいさんやおばあさんがいて、みんなを歓迎してくれます。
そして、お別れの時にかごに入った青い鳥を渡してくれたのです。
でも、家にたどり着くと、青い鳥はいつの間にか黒い鳥に変わっていました。
がっかりしている2人に光の精は「青い鳥は夜の宮殿にいるかもしれない。」といいます。
そして、夜の宮殿に行くと、部屋の中から戦争や、病気や不幸の悪魔たちが襲ってきたのです。
ですので皆は光の部屋へ逃げ込みます。
そこには青い鳥がたくさん飛んでいました。
さっそく青い鳥をつかまえて部屋を出ると、なぜか青い鳥は死んでしまったのです。
ですから、光の精は「森の中にきっと青い鳥はいるわ。」と皆を励ましました。
しかし、森の精たちや、森のけものたちは木こりの子供が来たとわかって、いっせいに襲ってきます。
チルチルは急いで帽子のダイヤを回しました。
すると、森の精やけものたちはおとなしくなったのです。
次に光の精は、しあわせの森に行ってみようと言います。
しあわせの森には健康のしあわせ、親切のしあわせ、正直のしあわせの天使が飛んでいました。
天使が指さす方向に行くと、お母さんの幸せがいました。
チルチルとミチルは「お母さん!」と言ってお母さんに抱き着きます。
でもしばらくすると、お母さんも、幸せの天使も消えてしまいました。
だから、光の精は2人に「さあ、元気をだして、未来の御殿に行きましょう。」と言います。
未来の御殿には子供たちがたくさんいて、地上で赤ちゃんになるのをまっていました。
時のおじいさんがドラをならすと、地上行きの船が出発します。
そして、光の精はつかまえた青い鳥を2人に渡し、「私たちも帰りましょう。」と言いました。
雲に乗って、降り始めたとたん、青い鳥は赤い鳥に変わって、2人は雲から落ちてまっさかさまに地上に落ちて行きました。
2人が「助けてー!」と叫んだとき、お母さんに揺り起こされて目覚めます。
そして、なんとお父さんが捕まえて来た鳥が青い鳥だったのです。
ですから、2人はおばあさんの所に青い鳥を連れて行き、おばあさんの孫娘はすっかり元気になりました。
そして、チルチルとミチルは青い鳥を青空へはなしてあげたのです。
おしまい。
青い鳥の教訓
このお話の教訓は、それぞれに、本当の力が発揮出来たり、本来の色になれる場所があるという事です。
でもそれは、外から見ると、本当の色はわかりにくいのです。
最近は、コミュニケーションが苦手な人が多く、本来は力のある人も慣れない場所に行くと、他人の事ばかり気になってうまく話が出来ず、そればかりで体力を使って、仕事が思うように出来ない人がたくさんいます。
このお話の中では、思い出の国でも、夜の宮殿でも、探しに行った所で青い鳥が見つかります。
でも、気がつくと青い鳥は青くなくなってしまうのです。
その場所その場所で、青い鳥は本来の青ですが、違う所に持っていくと、青くなくなったり、死んでしまったりします。
人が本当の力を発揮できたり、本来の色を発揮できるのは、限られた場所で、他の場所では本来の自分ではなくなってしまうことがあります。
誰にでもこの場所なら私は私らしくいられるという場所があるでしょう。
他の場所ではなかなか本来の自分を発揮できないという事があります。
例えば自分の家では、リラックスできて好きに動けるのですが、外に出ると、人の目が気になって自分が思うように動けなくなることがあります。
仲のいい人たちの中ではやりたい事をして言いたいことを言えますが、知らない人や苦手な人の前では言いたいことも言えない人がいるのです。
例えば、ある人が良い仕事をしているので、自分の職場に来てくれても、良い仕事をしてくれるかもしれないと、職場を移動してもらうとします。
ですが、その人は初めての職場でどう動いていいかわからず、しかも期待されて移動してきたので、「良い仕事をしなければいけない。」と焦って空回りしてしまって、本来の力を発揮できないという事もあります。
周りの人は、それを見て、期待外れでがっかりします。
その人は、自分の仕事が周りをがっかりさせている事がわかってしまうので、ますます自分の思い通りに動けず、実力を発揮できないのです。
その時には、周りの人には、最初に見えていた青い色ではなく違う色に見えてしまっているのでしょう。
では、本来の色を再び出すようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
元の場所に戻すのが一番いいのですが、それが難しいのであれば、その人が焦って無理をしなくていい環境を作るのが一番いいでしょう。
そして上手く距離感を取りながら、時間をかけてその人の事をよく見て、表に出てくる情報だけでなく、その他の事も出来るだけ見ようとすることが大事なのかもしれません。
でも、ほとんどの職場では、時間や人手をかける事が難しいのが現状です。
お話の中では、最初に捕まえてきた鳥が実は青い鳥だったのですが、捕まえて来た直後は鳥が新しい環境に慣れていなくて、色が違って見えたのかもしれません。
ですが、段々慣れて、本来の色を発揮できたのでしょう。
そして、もう一つは、最初のおばあさんの孫娘の為に青い鳥を探すという目的を見失って、自分達で青い鳥を見つけるという目的を達成する事だけを求め過ぎると、本当の鳥の色がわからなくなってしまったということです。
自分の目的を達成する事ばかり考えてしまうと、他の事が見えなくなるのです。
そして、もしかしたら、旅をしたことで自分達には見守ってくれているおじいさんやおばあさんがいて、近くにいつもおかあさんがいてくれて、幸せな環境にいるという事に気がついたので、鳥が本来の青い色にみえたのかもしれません。
青い鳥の原作
ベルギーで生まれた詩人、劇作家のモーリス・メーテルリンクにより1907年に童話劇として発表された。
メーテルリンクは、1911年にノーベル文学賞を受けています。
何度も映画化されているが、中でも1940年と1976年の映画が有名です。
1940年の映画は、1939年の「オズの魔法使い」に対抗してつくられました。
メーテルリンクはこのお話をノバーリスの「青い花」に影響されて書いたとも言われている。
まとめ
青い鳥の教訓は、人にはそれぞれ本当の力が発揮出来たり、本来の色になれる場所があるという事です。
メーテルリンクが込めたこのお話のテーマは、「死と生命の意味」なのだそうです。
天から赤ちゃんになる子供が順番に船に乗って降りてくるという場面は何か漫画でみた気がするのですが・・・
手塚治虫さんの漫画?