
子供の時、もらったプレゼントにガッカリしたことはありませんか?
そして、子供にプレゼントを与えて、その反応にがっかりしたことはありませんか?
どうして、こんな事になってしまうのでしょうか?
そして、大人も子供も奇妙な事や不思議な事に惹かれるのはなぜでしょうか?
このくるみ割り人形はクリスマスに主人公のクララに起こった不思議なお話です。
ここからは、くるみ割り人形のあらすじを見ていきます。
くるみ割り人形のあらすじ
クリスマスイブの日、クララはまだリボンの色が決まりません。
そのうちに、パーティーに招待された人がたくさんやってきます。
たくさんのいとこ達と、おじさんおばさんたちです。
そして、クリスマスツリーの下はプレゼントでいっぱいになります。
でもクララが待ちわびているドロッセルマイヤーおじさんからのプレゼントはまだありませんでした。
お客さん達はもう食事も済ませてダンスを踊り始めたのです。
クララはドロッセルマイヤーおじさんはもう来ないのかと、心配になります。
すると、突然ドロッセルマイヤーおじさんがやって来て、素敵な手品を始めました。
そうすると、みんなおじさんの手品に注目します。
やっと、最後にポケットからプレゼントが出てきました。
お兄さんのフリッツにはおもちゃの兵隊さんを、クララがもらった箱にはとても立派な兵隊さんの服装をしたくるみ割り人形が入っていました。
そして、クララはひと目でこの人形が大好きになりました。
すると、フリッツが「兵隊の隊長がいた!」と言って、人形をクララからひったくって、走り回ったのです。
ですので、クララがフリッツを追いかけていると、人形が床に落ちてしまいました。
その時にくるみ割り人形のうでが壊れてしまったのです。
すると、ドロッセルマイヤーおじさんは、人形に薬のようなものを塗ると、クララのハンカチで包帯をしてくれました。
そして、「明日の朝には良くなっているよ。それまで静かに寝かせてあげよう。」とクララにそっと渡してくれます。
そこで、クララは人形を箱に寝かせて高い棚に置いておくことにしました。
クララはベッドに入りますが、くるみ割り人形が心配で寝付けません。
ですので、下に降りて行って、人形が元気にしているか、確かめようと思います。
すると、その時、時計が真夜中をうちました。
そうすると、クリスマスツリーはてっぺんの星が見えなくなるくらい大きく伸び、まだまだ伸びています。
それに、大きなネズミがどこからか飛び出してきて、テーブルに残っていた食べ物をガツガツ食べ始めたのです。
そして、クララに気づいたネズミたちが歯や爪を光らせて迫ってきました。
すると、すぐにフリッツの兵隊たちがクララを助けに飛び出だしてきたのです。
しかし、ネズミたちが優勢で、兵隊たちが負けそうです。
そう思った時、くるみ割り人形が箱から飛び出し、兵隊達に大砲を持って来させて、突撃命令を出しました。
一気に、ネズミ達はやっつけられます。
最後にネズミの王様が残り、くるみ割り人形と戦いました。
くるみ割り人形は、ネズミの尻尾で足をつかまれて、倒れてしまいます。
すると、クララは靴を脱ぎ、ネズミの王様の頭に投げつけました。
その時、大砲が火をふきます。
クララが気がつくと、ネズミや兵隊がいなくなっていて、王子さまになった、くるみ割り人形が立っていました。
くるみ割りは「お礼にお菓子の国に招待します。」とクララをそりに乗せます。
そこでは、お菓子の妖精たちが出迎え、踊ってくれました。
そしてたくさんのご馳走もあります。
最後に王子さまはクララにダンスを申し込みました。
すると、クララは魔法をかけられたように、軽やかに美しく踊る事ができたのです。
クララは王子さまと2人で踊り続けます。
それから、クララはクリスマスの朝、自分のベッドで目が覚めたのです。
「みんな、夢だったのかしら?」と思います。
すると、枕の下にくるみ割り人形がいて、人形のうではすっかり元に戻っていました。
おしまい。
くるみ割り人形の教訓
みんな、不思議な事や、物が好きだということです。
特に子供は、奇妙なものや、不思議な物に反応します。
主人公のクララは、ドロッセルマイヤーというちょっと変わった格好をした、いつも不思議なおじさんが大好きです。
このおじさんがくれるプレゼントはいつも楽しみなのです。
この時の兵隊の恰好をしたくるみ割り人形は、奇妙で、普通の大人から見れば、女の子が喜びそうにありません。
でも、不思議なことに、このプレゼントは、クララの心をガッシリつかみます。
例えば、子供の誕生日等に、子供に欲しい物をたずねないで親が喜ぶだろうと思う物を買って与えてみても、まったく喜ばなかったりするのです。
息子は一歳の誕生日のプレゼントを買う為におもちゃ屋さんに連れて行った時すぐに、とても安価なオレンジやら赤やらの不思議なバスのおもちゃを見つけて遊びはじめます。
そして、テレビで息子が大好きなキャラクターの機関車や、アンパンマンのおもちゃには見向きもしないで、バスのおもちゃを離そうとしなかったので、結局そのバスのおもちゃを買う事にしました。
それから、息子がそのおもちゃを気に入りすぎて、扉が壊れてしまっても、なかなか捨てる事ができなかった事を覚えています。
親はどうしても、子供のイメージを勝手に作ってしまって、子供の好みや本当に欲しい物がわからず、無理に押し付けているのかもしれません。
私は昔、誕生日になにか買ってもらうとか、一緒に買い物に行って親に何か買ってもらうという経験はあまりなかったのですが、1つだけ覚えていることがあります。
小学生の時、珍しく家族で本屋に行って、親が本を買ってくれるというのです。
でも、漫画雑誌などは母親が好きではなかったのを知っていたので、当時流行っていた『なかよし』とか『りぼん』を買ってほしいとどうしても言えませんでした。
当時、漫画などは私の親にはまったく理解のできない、訳のわからないものでした。
ですから、私は表紙が深緑色で、分厚い誰かの伝記か何かを買ってもらったのです。
結局はほとんど読まずに、やっぱり漫画を買ってもらえばよかったと後悔したのを覚えています。
親が子供の為に良いだろう、喜ぶだろうと与えたものは、実は子供にはあまり魅力がなく、親が考えもしないような物が好きだということです。
子供の勉強になるとか、子供にこんなものに興味を持ってほしいとかの親の願望はあきらめて、見たこともない不思議なプレゼントを探すのもいいかもしれません。
ここまでは子供の反応について書いてきましたが、実は不思議な物や事、奇妙な物に惹かれる大人もたくさんいるのです。
妖怪や幽霊のこわいお話や、原因が解明されていない不思議な現象や、未確認飛行物体や宇宙人等、たくさんの人が興味を持っています。
人は知らない事があると、不安に思うのです。
そして、中身を知りたがったり、何者なのか解明しようとしたりして、わからない不安を解消しようとします。
だから、幽霊は本当にいるのかとか、その妖怪はどんなものなのかとか、宇宙人は本当に地球上に存在するのかとか、そんな話題は大人も釘づけにするのかもしれません。
探っても、探っても解明されず、本当の事はわからないので、引き付けられ続けるのでしょう。
考えてもわからない事、解明されていない事を考える事は、脳にも良い刺激になっているのかもしれません。
さて、このお話はどういう風にできたのでしょう。
くるみ割り人形の原作
ドイツの作家エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンによって書かれた『くるみ割り人形とねずみの王様』を元にチャイコスフキーが作ったバレエ音楽です。
その時の演出家によって、違った上演がされています。
終わり方は様々で、クララがお菓子の国にいる所でおわるお話もあります。
チャイコスフキー作曲の『眠れる森の美女』の次作としてつくられました。
まとめ
くるみ割り人形の教訓は、子供は親が理解できないような、奇妙な物や、不思議な物に反応するという事です。
そして、大人も、不思議な物になぜか惹かれるということです。
その反応は、実は脳に刺激を与えるためかもしれません。
テレビの幽霊の番組や、ホラー映画などは怖がりの私はとても苦手で、観ないようにしていますが、よく考えるとどこかで信じているから怖いのかもしれません。
そして、宇宙人の話は、地球に他の星の人がやって来ても当たり前だと思っているので、とても興味があります。